各国での実施状況
日本での無痛分娩率はまだまだ低いのですが、アメリカやフランスなどは、硬膜外無痛分娩を受ける妊婦が多いということで知られています。
2008年のデータですが、硬膜外鎮痛や脊髄くも膜下鎮痛を受けたアメリカの女性は、経腟分娩をした女性の約61％にも及んでいます。2010年データのフランスでは更に多く、経腟分娩の約80%の女性が硬膜外鎮痛、脊髄くも膜下鎮痛による無痛分娩です。ちなみにそれ以外の国ですが、イギリスでは全分娩中の23%（2006年データ）、ドイツでは全分娩中18％（2002～3年データ）、ノルウェーでは全分娩中26％（2005年データ）ということです。
これでもけっして少なくはないのですが、欧米においても国によって実施状況は大きく異なっているようです。
対してアジア圏では硬膜外無痛分娩率は低くなっています。あえて無痛分娩率が高い国を挙げると、はシンガポール16％、香港9％、台湾9％という状況です。
日本では2007年のデータですが、全国の硬膜外無痛分娩率は全分娩の2.6％です。傾向として日本では大きな産院よりも比較的規模の小さな医療施設の方が無痛分娩率が高いようで、診療所は3.3％、病院は1.8％と、かなり実施率に差があります。
日本での無痛分娩は、計画分娩で行う施設が多くなっており、また、事前に希望していることを伝えていないと無痛分娩を受けられないことがあるので注意してください。
現在日本に約2800の分娩施設があるのですが、お母さんの希望で硬膜外無痛分娩を行える施設は約250しかないそうで、そうなるとかなり事前に無痛分娩ができる施設の確保をすることが重要になってきそうです。